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予防医学を普及させた日野原先生とワークショップ
国際リラクゼーションセラピー協会会長 巌 美雅子
 
 日野原先生はウイリアムウィスラーとの運命的な出会いにより、人生における習慣の意義の大きさを痛感し医療、教育、哲学の分野に展開。『生活習慣病』の名づけ親でもあります。
 ご経歴は明治44年生まれ、90歳。昭和12年京都大学医学部卒業、平成10年トーマスジェファーソン大学名誉博士、ハーバード大学客員教授、平成11年文化功労者、現在聖路加病院理事長です。

 日野原先生によりますと、1860年ナイチンゲールが書いた文章に『病む者は時として歪んだ判断をする』と書いているそうです。医療従事者にひどい言葉を投げかける患者さんもときにはおられますが、病気は心にも影響をあたえているから、歪んだ心から発した言葉にとらわれないで、その心を癒す事が大切であるという意味なのでしょう。ナイチンゲールの時代に西洋医学の病院に氣功があったならと想像したくなります。

 氣功は中国医学の一つの分野でありながら単に治療法であるばかりでなく、予防医学、人生哲学、人間関係心理学など多岐にわたり現代の科学編重主義の私たちを啓蒙してくれます。科学即ち検査の数値、それは普遍性、再現性があるという定義のもとに確かに信頼をおけるものであり大切です。しかし、それだけに振り回されて反って気をやみ健康から遠い地点にいる人も見受けられます。もっと広く私達のいのちを認識させてくれるもの、それが気功による健康管理だからです。

 西洋医学の薬剤師でありながら1988年から気功の道に入った私ですが修行を積むにしたがって氣功が包括している宇宙観に惹きつけられ今日迄きました。すなわち自然の一部として人が存在しているのだから努めて健康であろうとしなければ、宇宙全体もまた病むという考えです。自分の病気とか自分の健康とか自分の幸福とかを第一に考えてしまいそうになる偏狭な心を恥ずかしく思います。

 健康に努めようと具体的に行動しなければよい結果が生まれないのです。このことは中国だけでなく欧米の文化の中にも浸透し通じていることは北京の気功本部に欧米各国の方が研修にいかれることからもわかります。

 今年4月26日(金)スパウザ小田原(小田原市根府川583)で行われた「ファーストエグゼブティブミーティング2002」でお逢いした日野原重明先生は講演の中で「内なる世界へむかう時をもっと」を習慣にすることの良さについても触れられました。気功をしているとまさに、内になる自分を律し、過剰を戒め、充足を知ることに徐々に目覚めていきますがそれこそが「未病を防ぐ」すなわち予防医学の根源です。そして自然を敬い、いのちの尊さを再認識します。自分だけで生きているのではないという事を気功しながら実感します。体と心が相関係に変化する事を学びます。
 親睦会で握手をして頂きました先生の掌は分厚いので驚きました。30か40歳代のようでした。日頃鍛えておられること。栄養に気配りをして量を控えめに食事されていることを伺い、つみ重ねることのすばらしさを納得したしだいです。
 翌早朝6時朝日を浴びて気功する私たちをご覧になり『これはいいね』といってくださいました。『気功ウォーキングの論文を送るように』と言い置かれて東京へお戻りになった先生はいつもの通りお元気に聖路加病院の患者さんを診察されたと聞いています。
 
 「体と心は毎日遣わないと駄目になる」 日野原先生の講演より
 あまり使わないと、必要ないと感じてどんどん衰えていきます。いわゆる不明(廃用)症候群ですがこうならないように毎日身体を使うようにしましょう。家の中の用事をするだけでは不足です。毎日意識して歩くように少し汗ばむくらいのテンポで5000歩くらいあるきたいものです。また、脳もあまり楽をさせてはいけません。しかし正しくない使い方は、返って脳にダメージを与えます。無用な心配をするのもよくありません。
 現在65歳以上の老人の25%は要介護老人です。この仲間に入らないように工夫をもって生活しましょう。65歳以上でこの範囲に入らない健康な人を「新老人」とよびたいと思います。

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